舞台『メサイア-鋼ノ章-』(後編)
このブログでは、舞台『メサイア -鋼ノ章-』についてまとめています。ネタバレ含みますので、ご注意下さい。
長くなりますので、お時間がある時にどうぞ。
時系列では、メサイア 【章シリーズ】7番目のお話になります。
舞台『メサイア-鋼ノ章-』考察など
鋭利、珀の卒業後
『翡翠ノ章』で鋭利と珀が卒業した後に残されたサクラのメンバーを見た時、最初はとても頼りなく、大丈夫かな?という印象を受けたのが、正直な感想でした。
役者としての松田 凌、小野健斗の存在がとても大きかった事を感じました。
でも、シリーズを重ねる事に役者と一緒にキャラクターも成長していき、なくてはならない存在になる。人が成長していく姿を、一緒に体感できる。
そこがメサイアシリーズの魅力だと思います。
間宮が演奏した曲目
『鋼ノ章』で間宮が演奏した曲は以下です。
・冒頭のシーン:ツィゴイネルワイゼン
・調印式典:G線上のアリア
・テロ発生後:レクイエム ラクリモサ
・有賀に撃たれる時:G線上のアリア
シュレーディンガーの猫
『鋼ノ章』でのシュレーディンガーの猫とは、“生きていると同時に死んでいる事”を示唆しています。
堤 貴也にとっての日本であり、高野にとっての白崎 護がそうです。
間宮の場合、間宮自身がチャーチという箱の中に入れられた猫でした。クアンタム・キャットのスパイとして人間の愚かさを植えつけられ、サクラ候補生になった事で新たな感情が芽生える。
間宮はずっと相反する感情の中で揺れていたのだと思います。「有賀の事、知りたいんだ。」という言動一つとっても、有賀の事を知ろうとする事は、スパイとしては情報収集でもありメサイアとしては相手を理解しようとする、という二つの意味が考えられます。
自分の両親がテロに巻き込まれ殺されただけだったら、その怒りはまっすぐに堤 貴也に向かうと思いますが、そうさせないのが堤 貴也の恐ろしいところです。自分の両親が多くの善良な市民を殺害した、凶悪なテロリストだと教える事で、間宮の中に相反する感情を芽吹かせます。
間宮もまた、堤 貴也の実験により弄ばれた一人なのだと思います。
有賀 涼について
昔の事を語ろうとする間宮に「聞きたいとも思わない」。と言い放つのは、間宮の暗殺目的で調印式に潜り込んだ時に間宮の身に何が起こったか知っていたため、過去の辛い事を思い出さなくてもいいという有賀の優しさなのでは?と思いました。
無口だった有賀が自分の過去を悠里に話したり、饒舌になるのは、スパイ容疑をかけられ、チャーチで拘束されていた時に自白剤を使われて以降です。
特に印象的な「自分のメサイアを大切にするのは当たり前の事だ。同じ景色を見たいと望めばいい。」と悠里に語るなど、以前の有賀からは考えられない事だと思います。自白剤の影響で有賀の本音が聞けたのかなと思っています。
有賀は、ワールド・リフォーミグ調印式の日に間宮の演奏によって、暗殺者から人間に戻る事ができ、間宮の最後の演奏で、サクラとしての覚悟が宿ります。今までは、自分が生きるために戦ってきたけど、これからは誰かが生きるために、世界中の人間が生きていけるために人を殺すという決意は、「どうして人は人を殺すんだろうな?」という間宮の問いに対する答えです。そして間宮の思いを受け継ぐ事でもあるのだと思いました。
いつもはしまってある第三の闇モデルの銃で間宮を撃つのも、まるで調印式の時の再現のようで二人だけの儀式のように感じました。
堤 嶺二の能力
堤 嶺二は収監中で、自分が行動するような事はありませんでしたが、たった一人でワールド・リフォーミング崩壊の一歩手前まで加担できるほどの能力の持ち主です。
サヴァン症候群であり、世界中に溢れている情報を数字に置き換えて正確な答えを導き出せる。という能力なのですが、具体的には『紫微ノ章』での出来事が分かりやすいと思います。
『紫微ノ章』でゾンビ化した人間(以下:G)の暴走の原因を探る時に見せた、堤 嶺二の能力。
新聞やニュースなどで報道されていた情報は以下の通り
・EUで行われる国際科学会議に向かう途中の飛行機が墜落。
・乗員乗客は全員死亡。
・墜落した場所はカラチョフ共和国。
・カラチョフ側は損傷が激しい事に遺体の引き渡しを拒否。
・飛行機の乗客の多くは北米連合側科学者、薬学者。
これらの情報を数字に置き換えて導き出した事件の真相は……
飛行機を北方連合内で一度着陸させ、科学者を拉致してから、死んでも良い一般の人間だけをのせ墜落させた。拉致した科学者の分はヘイハイズ(戸籍を持たない人間)を乗せる。
北米連合で墜落した飛行機に乗っていた側の、妻が1人交通事故で亡くなっているニュースから、家族を人質にして言うことを聞かせたと推理。拉致してきた科学者を脅し、新たな技術を開発させた。
というものでした。その技術を使って評議会内でGを暴走させた事が分かり。堤 貴也が評議会を裏切った事に繋がりました。
時間軸の整理
・ワールド・リフォーミング調印式典で、間宮がヴァイオリンを演奏。
→有賀が間宮暗殺目的で式典に潜り込む
→堤 貴也がテロを仕掛ける、実行犯は堤 嶺二
・特別公安五係(チャーチ)が設立
・堤 貴也が評議会を組織
→三栖と周が所属
・テロ組織クアンタム・キャットが組織される
→間宮が取り込まれる
・有賀が第三の闇を壊滅、一嶋からスカウトされる
・白崎、悠里、間宮、有賀がサクラ候補生としてチャーチ入学
→間宮はクアンタム・キャットのスパイとして送り込まれていた
簡単に時間軸を整理すると、こんな感じかなと思います。
舞台『メサイア-鋼ノ章-』キャスト
間宮星廉(まみや・せいれん)役
染谷俊之(そめや・としゆき)
1987年12月17日
・ミュージカル『テニスの王子様』
2ndシーズン 平古場凛 役
The Second Order』
石垣光太郎 役
・舞台『刀剣乱舞 虚伝 -燃ゆる本能寺』
鶴丸国永 役
・テレビ『御茶ノ水ロック』
片山亮 役
有賀 涼(ありが・りょう)役
井澤勇貴(いざわ・ゆうき)
1992年11月26日
・『Club SLAZY』
遠藤 / End 役
・ミュージカル『薄桜鬼 藤堂平助篇』
土方歳三 役
・『おそ松さん on STAGE 〜SIX MEN’S SHOW TIME〜』
おそ松(F6) 役
・Acrobat Stage「Infini-T Force」
ガッチャマン/鷲尾健 役
・ドラマ『マジで航海してます。』
木暮健介 役
・映画『HiGH&LOW THE MOVIE 2
END OF SKY』
吽形 役
白崎 護(しらさき・まもる)役
赤澤 燈(あかざわ・ともる)
1990年3月14日
・ミュージカル『テニスの王子様』
2ndシーズン 芥川慈郎 役
・『クジラの子らは砂上に歌う』
チャクロ 役
・MANKAI STAGE『A3!』
三好一成 役
・舞台『戦刻ナイトブラッド』
豊臣秀吉 役
悠里 淮斗(ゆうり・かいと)役
廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)
1991年6月30日
・ミュージカル『テニスの王子様』
・ミュージカル『薄桜鬼』シリーズ
沖田総司 役
・舞台『刀剣乱舞』
一期一振 役
声優
・『A3!』斑鳩三角
・『王室教師ハイネ』
※2017年より声優に転向
加々美いつき(かがみ・いつき)役
杉江大志(すぎえ・たいし)
1992年5月7日
・ミュージカル『テニスの王子様』
2ndシーズン 一氏ユウジ 役
・舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺
鯰尾藤四郎 役
・ミュージカル『スタミュ』
星谷悠太 役
・舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』
速水ヒロ 役
五条 颯真(ごじょう・そうま)役
太田基裕(おおた・もとひろ)
1987年1月19日
・ミュージカル 『テニスの王子様』 1st
伊武深司 役
・舞台『弱虫ペダル』
今泉俊輔 役
(2012年〜2016年
〜総北新世代、始動〜まで)
・ミュージカル『刀剣乱舞』
千子村正 役
高野優太(たかの・ゆうた)役
宮﨑秋人(みやざき・しゅうと)
1990年9月3日
・ミュージカル『薄桜鬼』シリーズ
永倉新八 役
・舞台『弱虫ペダル』シリーズ
新開隼人 役
・舞台 『東京喰種』
永近英良 役
・舞台『FAIRY TAIL』
ナツ・ドラグニル 役
・舞台『青の祓魔師』奥村雪男 役
(京都紅蓮篇・島根イルミナティ篇)
※2015年D-BOYSに加入
堤 嶺二(つつみ れいじ)役
平野 良(ひらの・りょう)
・ミュージカル 『テニスの王子様 』
1stシーズン 一氏ユウジ(Aキャスト) 役
・『ふしぎ遊戯』鬼宿 役
舞台 (初演・朱雀編・青龍編)
ミュージカル(朱ノ章・蒼ノ章)
・舞台『インフェルノ』 ノエル 役
・ミュージカル『さよならソルシエ』
・ミュージカル『憂国のモリアーティ』
三栖 公俊(みす・きみとし)役
中村龍介(なかむら・りゅうすけ)
1985年2月12日
・『最遊記歌劇伝-Dead or Alive-』
清一色 役
・舞台『インフェルノ』
ブラック・サンタ 役
周 康哉(あまね・やすちか)役
玉城裕規(たまき・ゆうき)
1985年12月17日
・舞台『弱虫ペダル』東堂尽八 役
(2012年〜2013年
インターハイ篇 The First Resultまで)
・舞台『曇天に笑う』曇天火 役
・ミュージカル
『黒執事 〜NOAH’S ARK CIRCUS〜』
スネーク 役
・舞台『刀剣乱舞』小烏丸 役
志倉一仁(しくら・かずひと)役
シャム役
岩永洋昭(いわなが・ひろあき)
ペルシャ役
村田 充(むらた・みつ)
窪寺啓次(くぼでら・けいじ)
山川ありそ
舞台『メサイア-鋼ノ章-』人物相関図
舞台『メサイア-鋼ノ章-』公演概要
公演日
東京公演:2015年9月2日〜13日
場所:シアターGロッソ
神戸公演:2015年9月19日〜21日
場所:新神戸オリエンタル劇場
原案:高殿円
脚本:毛利亘宏(少年社中)
演出:西森英行(Innocent Sphere)
殺陣:六本木康弘
製作:CLIE
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